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【2019/08/18 23:58 】 |
交通事故の判例
今回は、交通事故に関する判例を紹介します。 
1 本件は,自動車同士の衝突事故により後遺障害の残った被上告人が,加害車両の保有者が不明であるため,上告人に対し,自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)72条1項前段に基づき,上記後遺障害による損害のてん補を求める事案である。
 被上告人は,自賠法72条1項,同法施行令20条,2条1項2号イの定める限度額(以下「法定限度額」という。)である4000万円から,上告人により既にてん補された2312万3480円を控除し,更に被上告人が原審の口頭弁論終結時までに支給を受けた労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)に基づく障害年金の額である342万5260円を自賠法73条1項に基づき控除して,残額1345万1260円及びこれに対するてん補請求の日の翌日である平成17年2月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金と,上記の上告人による既てん補額に対する確定遅延損害金45万6134円の支払を求めている。これに対し,上告人は,自賠法73条1項に基づき控除すべき障害年金には将来の給付分も含まれるから,被上告人が障害年金の受給権を取得した当時の年金額が平均余命期間支給されると仮定した場合における支給総額の現在額である1622万6520円を控除すべきであると主張して,被上告人の請求を争っている。なお,上記の確定遅延損害金の請求部分については,当審の審理判断の対象となっていない。
2 原審の適法に確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
(1)被上告人は,平成15年11月1日,通勤途上,愛知県大府市米田町1丁目474番地先路線上において,普通乗用自動車を運転中,信号を無視して進行してきた自動車に衝突され,同自動車は,そのまま走り去り行方不明となった。
 被上告人は,上記の衝突事故により,頸椎骨折,頸髄損傷,脊髄損傷,外傷性くも膜下出血等の傷害を負い,平成16年12月1日,第7頸髄節残存・以下完全四肢麻痺,膀胱直腸障害,脊柱変形障害等の後遺障害(以下「本件後遺障害」という。)を残して症状が固定した(当時66歳)。本件後遺障害は,自動車損害賠償保障法施行令別表第1第1級1号に該当する。
 被上告人の本件後遺障害による損害額は,法定限度額である4000万円を超える。
(2)被上告人は,上記(1)のとおり症状が固定したことにより,労災保険法に基づく障害年金の受給権を取得し、平成17年1月17日,その支給決定(年額130万2080円)を受けた。被上告人が平均余命期間上記支給決定に係る年金額の支給を受けると仮定した場合における支給総額の現在額は,1622万6520円である。
(3)被上告人は,平成17年2月25日,上告人に対し,自賠法72条1項前段に基づく損害のてん補を請求した。 
 上告人は,本件後遺障害による損害のてん補として,被上告人の本件後遺障害による損害額を3935万円と算定し,同金額から上記1622万6520円を控除した残額2312万3480円を支払うこととし,同年7月19日,被上告人に対し,これを支払った。
(4)被上告人は,原審の口頭弁論終結時までに2度,傷病の再発により障害年金の受給権が一時的に消滅し,傷病年金の支給決定(その年額は当時の障害年金と同額)を受け,平成17年8月分並びに平成19年4月及び5月分については傷病年金の支給を受けたが,傷病が治った後に上記(1)と同一の後遺障害が残り,その都度,障害年金の受給権を取得し,その支給決定を受けた。
3 原審は,上記事実関係の下において,次のとおり判断して,被上告人の請求を全部認容すべきものとした。
 自賠法73条1項にいう「損害のてん補に相当する給付を受けるべき場合」とは,その「給付を受けるべき場合」という文理と被害者保護という自賠法の趣旨,目的を併せ考えると,将来の給付分に関しては,これを受けられることが確実な場合に限られ,給付を受けられるか否かが不確実な場合までは含まれないと解するのが相当である。本件のような障害年金の場合,将来にわたって給付要件や給付額が同一であるかどうかには不確実な点があり,また,受給者の受給権が途中で消滅すること等もあり得ること,現に被上告人についてみると,2度にわたり傷病が再発し,その都度,障害年金の受給権が消滅したことに照らすと,被上告人においていまだ支給を受けることが確定していない障害年金は,その給付を受けられるか否かが不確実であるということができ,自賠法73条1項所定の「給付を受けるべき場合」に当たらないというべきである。
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
 自賠法73条1項は,被害者が健康保険法,労災保険法その他政令で定める法令に基づいて自賠法72条1項による損害のてん補に相当する給付(以下「他法令給付」という。)を受けるべき場合には,政府は,その給付に相当する金額の限度において,同項による損害のてん補をしない旨を規定している。上記文言から明らかなとおり,これは,政府が自動車損害賠償保障事業(以下「保障事業」という。)として自賠法72条1項に基づき行う損害のてん補が,自動車損害賠償責任保険及び自動車損害賠償責任共済の制度によっても救済することができない交通事故の被害者に対し,社会保障政策上の見地から救済を与えることを目的として行うものであるため,被害者が他法令給付を受けられる場合にはその限度において保障事業による損害のてん補を行わないこととし,保障事業による損害のてん補を,他法令給付による損害のてん補に対して補完的,補充的なものと位置付けたものである。そして,自賠法73条1項の定める他法令給付には,保障事業の創設当時から,将来にわたる支給が予定される年金給付が含まれていたにもかかわらず,自賠法その他関係法令には,年金の将来の給付分を控除することなく保障事業による損害のてん補が先に行われた場合における他法令給付の免責等,年金の将来の給付分が二重に支給されることを防止するための調整規定が設けられていない。
 保障事業による損害のてん補の目的とその位置付けに加え,他法令給付に当たる年金の将来の給付分に係る上記の調整規定が設けられていないことを考慮すれば,自賠法73条1項は,被害者が他法令給付に当たる年金の受給権を有する場合には,政府は,当該受給権に基づき被害者が支給を受けることになる将来の給付分も含めて,その給付に相当する金額の限度で保障事業による損害のてん補をしない旨を定めたものと解するのが相当である。
 したがって,被害者が他法令給付に当たる年金の受給権を有する場合において,政府が自賠法72条1項によりてん補すべき損害額は,支給を受けることが確定した年金の額を控除するのではなく,当該受給権に基づき被害者が支給を受けることになる将来の給付分も含めた年金の額を控除して,これを算定すべきである。
 このように解しても,他法令給付に当たる年金の支給は,受給権者に支給すべき事由がある限りほぼ確実に行われるものであって(労災保険法9条等),その支給が行われなくなるのは,上記事由が消滅し,補償の必要がなくなる場合や,本件のように傷病が再発し,傷病の治療期間中,障害年金額と同額の傷病年金が支給されることになる場合などに限られるのであるから,被害者に不当な不利益を与えるものとはいえない。
 なお,被害者が加害者に対して有する損害賠償請求権の額を確定するに当たっては,被害者が不法行為と同一の原因によって債権を取得した場合,当該債権が現実に履行されたとき又はこれと同視し得る程度にその存続及び履行が確実であるときに限り,被害者の被った損害が現実に補てんされたものとしてこれとの損益相殺が認められるが(最高裁昭和63年(オ)第1749号平成5年3月24日大法廷判決・民集47巻4号207頁参照),自賠法73条1項は,被害者が加害者に対して有する損害賠償請求権を前提として,保障事業による損害のてん補と他法令給付による損害のてん補との調整を定めるものであるから,損益相殺の問題ではなく,上記と同列に論ずることはできない。
5 以上と異なる原審の判断には,自賠法73条1項の解釈適用を誤った違法があり,この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。論旨は理由がある。
 そして,本件後遺障害が残ったことにより取得した障害年金の受給権に基づき被上告人が支給を受けることになる将来の給付分を含めた障害年金の額は,上記受給権を取得した当時の年金額が平均余命期間支給されると仮定した場合の支給総額の現在額をもって算定するのが相当であるところ,前記事実関係によれば,上記の現在額は,上記受給権について支給決定がされた年金額に基づき計算すると1622万6520円であるというのであるから,上告人が本件後遺障害に関しててん補すべき損害額を算出するに当たっては,自賠法73条1項に基づき,上記1622万6520円を控除すべきである。そうすると,被上告人の請求は,法定限度額である4000万円から,上告人により既にてん補された2312万3480円を控除し,更に上記1622万6520円を控除した残額である65万円及びこれに対するてん補請求の日の翌日である平成17年2月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金並びに前記1の確定遅延損害金45万6134円の支払を求める限度でこれを認容し,その余は棄却すべきである。原判決は,上記と異なる限度で破棄を免れず,原判決を主文第1項のとおり変更することとする。
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